タイでの長年の出家を阻むビザとパスポート

大半の僧侶は収入が少ないと思う。
なので頼る家族、親戚がいない場合は病気をしたらそこで人生が終わる。
生命保険や個人年金も収入からしてかけていないと思う。
病気やケガをしないと仮定した場合はタイ人なら大丈夫だと思う。
有り得なさそうな仮定だが。
非タイ人の場合はビザとパスポートの維持という大きなハンデがある。
ビザ代は期間に関わらず1900バーツ。
期間の最長は1年。
1年ごとの更新を繰り返すことになる。
年1900バーツは痛いが払えると思う。
しかし書類を作成する。複数のお偉いさんからサインをもらう。と言う難題がありクリアするには文書作成代や交通費などの費用もかかる。
書類は観光ビザとは違いワープロで作成しろということになっている。
外国人僧侶は珍しくビザ取得のノウハウに詳しいタイ人はまずいない。
大きな寺ならいいかも知れないが小さい寺ではよほど協力的な人がいるか金積むか強引に頼むか自分でやるかになる。
やり方がわかる人がいない、やりたがらない、やろうとはするがやり方を間違える、やってはくれるが金を請求されるなどのことがあるため私は自分でやるという方法を選んで来た。
それは確実にビザを取得するため、他人に迷惑をかけないため、お金を節約するためといいことづくめだがパソコンとプリンターが必要でタイ語の読み書きがキーボード入力も含めて堪能である必要がある。
私はそれをクリアしていたがつい数日前、火事全焼でパソコンとレーザープリンターを失った。
それどころか全財産失った。
それは置いておき、お偉いさんたちのサインをもらうのも大変。
私の場合は田舎で且つバスが通ってない寺にいてお偉いさんの内の一人もバスの通ってない辺鄙な所にいる。
距離もものすごく交通費が半端ない。
加えて不在が多く何度も出直すのが普通。
やっとこさサインをもらって仏教事務所に提出に行くと受け取るが後日になってから作り直せだの、書類に不備はないが別の書類を作って来いだの言ってくる。
不必要と思われることも言ってくる。
疲弊と共に交通費がかさむ。
ここまでしてビザは要らんという気持ちになる。
そこまでしてやっとOKでても今度は仏教事務所が県知事からサインをもらってくるのを待たなければならない。
昔は書類提出後数日から10日で県知事のサインが入ったビザ延長許可の書類を発行してくれたがここ数年はどんなに早く完全な書類を提出してもビザが切れる前日にならないと発行してくれなくなった。
入国管理事務所は急いで持って来いというのに。
また昔は二ヶ月近く前でも仏教事務所は私が作成した書類を受け取って作業を進めてくれたが今では一ヶ月前にならないと受け付けなくなった。
ビザ更新は入国管理局のルールでは一ヶ月前からできるが県庁がそのルールを無視するためビザが切れる前日とかビザが切れる当日にしか更新させてもらえなくなった。
明らかにおかしいと思って抗議したこともあったが県庁に伝わることはなく仏教事務所にごまかされることで終わった。
後はパスポートの更新ですがバンコクまで行かなければならず手数料も高額で僧侶の収入では厳しい。
日本のパスポートはタイで取っても日本価格そのまんまで物価の考慮はない。